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Channel: 工場長の製作日誌
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木曽林鉄のE型貨車

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連休の初日
雪も解け天気も良かったので「幻の」などと枕詞の付く、王滝村の三浦ダムへ向かいました・・・

三浦ダムは昭和20年(!)完成の重力式コンクリートダムで、木曽林鉄ファンなら皆さんご存知かと思いますが、王滝村最奥部の滝越集落から更に8キロほど入った所にあります。

滝越から三浦ダムへは林鉄跡の道と尾根筋を走る林道の2ルートがありますが、マァ当然?林鉄跡を選びました。
・・・ただし、林鉄跡の道にはゲートがあり自動車は進入禁止です。



途中には林鉄の物と考えられるガーター橋が放ってあったり・・・



給水塔などが残っていたりします。
廃線跡なので勾配は緩く、ただひたすら8キロ弱の上り坂です。
沿線にはキロポストの様なプラカードがあり、残りの距離も掴み易く平易な道といえましょう。



だいたい予想通り三浦ダムに到着。
動物にも人にも落石にも遭わず(笑
・・・まぁ普通のダムです。とはいえ戦前に建設されたダムとしては2番目の高さがあるそうです。



道はそのまま堤頂へ。
ちょうどこの場所を木曽林鉄の水無線が走っていました。



さて、ここからが本題(笑
http://www.geocities.jp/rintetsu_club/leaving/leaving.html
こちらのページによれば「三浦ダムの堰堤の先の集材置場にE型貨車と小型貨車がある」とあります。

ただし、平成14年現在。

コレが現在どうなっているのかを調べに私は来たのですw

・・・正直もう無いだろうなと。
ガーター橋や給水塔などの鋼製コンクリ製の構造物と違って木造ですから。
でも、無い事を確認したかった訳です。

堤体より先の道は未舗装になり、突然低規格となります。
凍結融解によって粉々になった岩がサラサラと崩れるのが見えます。



コレ、時代劇とかで敵が上から襲ってくるシーンですね(笑

さて、進み始めて勘違いに気づきました。
私は早合点して「三浦ダム湖畔に集材置場がある」という認識だったのですが、どうもそれらしき平場すら無い・・・!
これは少し先になりそうだという事で地形図で確認・・・



堤体から4キロほど登ると他の林道に合流する箇所があり、
「自分が集材置場を作るならこのあたり!」
という判断でとりあえずここまで行くことにしました。
(結局赤丸地点に集材置場がありました)

・・・無いという事実を確認するのって思えば難しいです。
どこまで確認して「無い」と判断するのか?
でもそれらしい平場すら無いのではどうにも納得できません。



振り返れば御嶽山
・・・長野県内で御嶽山が東の方に見える地点というのもなかなか珍しいものです。
この雄大な景観を見ているのは自分ひとり。
山行きは自分と向き合う時間なのかもしれません。


さて、途中集材置場になりそうな平場は一カ所も無く合流地点へ・・・
平場が作れそうな一つ先の谷まで進んでみると・・・



確かに平場が・・・(地図赤丸地点)
恐らく排土した土を整地処分したのか、真新しい平場がありました。
プレハブを片付けたと思われる資材が積んであり、ここが目的地である可能性が非常に高いと思いました。

やはり「既に無かった」んだなと。
と思ったのですが・・・



!!!
雑木をブルで押し出した上にボロボロの木造構造物・・・



このカマボコ型の屋根はまさに木曽林鉄の車両ではありませんか!
どうやらプレハブ小屋は解体され、朽ち果てた木造の貨車はブルで一気に平場から押し出されたようです。
おかげてフレームと屋根は(それとわかる程度に)原形をとどめていました。





残念なのはつい最近作業した様子だったこと。
去年行っていればちゃんとそのままあったのではと思います。

しかし、元々存在しないと思っていた物を(破壊されていたものの)実見でき、思いのほか満足でした。


※林道の通行は落石や野生動物などの危険があり、自己責任です。三浦ダムより先はφ1m程度の落石があり通常の自動車では通行困難なので訪問はあまりおススメしません。

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