新幹線のガード下、おさふねサービスエリア裏に保存されている3両の下津井電鉄の保存車を見学しました。
下津井電鉄は大正2年から平成3年まで走っていた軽便鉄道です。
ここには3両の保存車があり、荒廃していましたが最近整備されて非常に美しい状態になっています。
・・・案内板
「種類 量産品」の記述は???である。
まずはクハ6
気動車改造のクハ
・・・ちなみに762ミリ軌間の鉄道で総括制御運転を始めたのは下津井電鉄が初。
日車製のバケットカーで、前後に荷台がついています。
どちらに連結しても運転できるタイプのクハかなと思っていたのですが、北側の運転台は撤去されており、こちら側に電動車を連結していたようです。
北側前面はヘッドライト・尾灯が撤去され、窓下部に保護棒が取り付けてあります。
よく見ると運転台の仕切りなども確認できません。
ちなみに3両すべて扉は施錠してあり、車内には入れません。
(荒廃時のまま復元されていない様子)
その床下
エンジンを吊っていたはずですが、クハのまま保存されているのでガソリンカー当時の様子は分かりません。
クハ6の台車
運転台側の台車は明らかに改造の跡が見受けられるのが気になるところ。
恐らく気動車時代は偏心台車だったと思うので、それを普通のにしたという所でしょうが、
わざわざクハの偏心台車を改造するというのはちょっと疑問。
・・・という事で、Wikiを見てみると
・気動車改造電動車(モハ50~55)の2度目の更新に際して偏心台車を普通の台車に改造
・あわせてクハ7・8も改造したが手間が多くて小型のクハ5・6は改造見送り
とある。気になってクハ5の写真を見ると
・クハ5の保存車は偏心台車のまま
・モハとクハ7・8の台車はクハ5・6とは形状が違う(後世の振替ではない)
ということが分かりました。
~という事は、
Wikiには「改造見送り」とあるがクハ6は偏心台車の改造だけは実施
ということなんですかね?
制御車でもそんなに偏心台車で不都合があったのでしょうか・・・?
続いてホワ10
典型的な軽便貨車です。
・・・軽便では短い車両でもボギー車になっていることが多いです。
端面
非常にノッポな感じ。
下津井では貨車は最後までバッファリンク式の連結器でした。
ブレーキ装置
典型的な踏んで操作するタイプです。
・・・この車両は片側の台車にしかブレーキが付いていません。
最後は客車のホハフ2
下津井開業時に用意された客車のうちの1両だそうです。
・・・色はオリジナルではないけど、ここに来た時からこの色みたいです。
車内を覗くと南西側の1窓分だけ仕切りがあり椅子がありません。
車掌台か何かですかね?
台車。貨車も同型でしたが、車輪が面白い形状です。
トラスはコの字の鋼材を使った簡易なものでした。
・・・模型の参考に非常に変な視点でお送りしていますw
ところで、この客車はデッキ部の手すり類が一切付いていません。
現役時にこの状態では非常に危険wなので、昔は付いていた訳で・・・
当時は他では見ないちょっとオシャレな形状をしたものでした。
・・・それを参考に作ったのが私の模型
こんな感じの手すりが付いていた訳です。
で、いつの間に失われたのか気になって探してみたのですが、
http://11.pro.tok2.com/~mu3rail/link247.html
1959年
まだ付いてますが、既に廃車されているようです。
https://umemado.blogspot.jp/2010/09/blog-post_15.html
1962年
3年後既に物置化し、手すりも失われています。
・・・この車両、55年も前にこんな状態なのに今も現存しているのちょっと凄くないですか??笑
http://satoyama.in/auto/sharyo/auto678.html
1975年
これは番号不明なのでこのホハフ2なのか分かりません。
しかしながら、ネットで調べる限りホハフ2の鉄道廃止の頃の写真が無いのと、62年の写真の13年後という事でこんなになっても不思議ではないという事で同一の可能性が・・・
創業当時の車両という事で大切にしていた、という事でも無いのか・・・?
ちょっと不思議な運命ですな。